2013-02-27

アメリカに行っておりましたー☆

こんばんは。

お久しぶりなブログとなります。
実は2月初めから約3週間ほど、アメリカに勉強に行っておりました。
毎年アメリカに滞在して勉強をするのが2006年からの恒例となっており、
今回も楽しくみっちりと勉強をさせていただきました。
ありがとうございます。

さて、毎日講義があるのですが、その講義の中で、
ある詩が引用されました。
私が大学で専攻した詩論、そこで学んだ詩人、
Robert Frost (1874-1963)
の一節でした。

とても印象に残っていた詩だったこともあり、
講義で引用されて、わくわく、しみじみ、どきどき、しちゃったものですから、
帰国して久しぶりに本棚からテキストを引っ張りだしてみました。
 
 
 
 
その詩の題名は、"The Road Not Taken" (行かなかった道)。
ふたつに分かれた道の前で、どちらの道をゆくべきか、
ひとりの旅人である「I (私)」が思案しています。
 
一つの道は、曲がりくねっていることがわかるほどに草が下生えとなっている道。
もう一つは、草が生い茂って緑に覆われている、踏み倒されていない道。
 
どちらかを選べば、もうここには戻ってこないことも自身でわかっている。
 
そして旅人は、最後にどちらを選んだのか。
 
・・・
I shall be telling this with a sigh
Somewhere ages and ages hence:
Two roads diverged in a wood, and I -
I took the one less traveled by,
And that has made all the difference.
 
溜息とともに 私はこう言っているだろう、
幾年も幾年も経ったどこかで。
森の中で道がふたつに分かれていた、
そして 私は-
私は、誰もかれもが進んだことのない道を選んだと。
それがすべての違いを創ったのだと。
 
 
 
多くの人が選ばない、草の生い茂る道無き道を 旅人は選んだのです。
そしてその選択が、のちの人生の違いを創ったのだと、
あとからそう振り返るだろうこともすでに知っているー。
 
初めてこの詩に出会った当時、なにかわからないけれど強烈な印象を受けました。
私も、多くの人が選ばないような道を選ぶことに、憧れていたからかもしれません。
 
今、あらためて読み返して、はたまた新しい視点に気が付きました。
多くの人が通って来なかった草ぼうぼうの道を、この旅人が選び踏みしめたあと、
そこは道となり、たくさんの人たちが選ぶ道となったかもしれない、ということに。
実際、詩の中でも、
私がそこを通れば、生い茂った草は踏み倒されてしまう、と旅人は言っています。
 
 
 
詩というのは、短い行の中に、
宇宙とも言えるような壮大な想像力が、
丁寧に選びぬかれた言葉のもとに、大切にちりばめられています。
音もリズムも、文字の置き方にも、作者の意図が練りこまれています。
 
小さな枠の中に込められた、丁寧で壮大なメッセージ。
受け取った読者が、各自の想像力を翼にして、
そのメッセージを自由に自分の宇宙に還元していく。
私は、そこに惹かれて、英語の詩を専攻しました。
 
英語の詩も、よかったらちょっとトライしてみてください。 
また違った英語を感じられると思います☆
 
 
 
 
 
<めもめも>
英語の詩は、韻を踏んでいることがわかりやすいので、
覚えておくと読みやすくなると思います。
上記で言えば、行の最後の音を揃えています。(脚韻)
sigh, I, by が [ai]
hence, difference が [ens]
が同じ音として揃えてあります。